はじめに

長年続く低金利で投資先需要が増加する中、東京オリンピックによるインバウンド市場の成長などもあって、不動産への投資に注目が集まっています。

そんな中、従来の土地・建物のハードの売買に留まっていた不動産投資の常識を超えて、様々な手段を講じて不動産物件の潜在価値を引き出す「不動産再生」を進めている会社が株式会社レーサムです。

株式会社レーサムは、富裕層向けに不動産資産運用サービスや建物・賃貸管理サービスを中心に事業展開している不動産管理会社です。バブル崩壊の真っただ中の1992年、田中剛元会長が株式会社レーサムリサーチとして設立し、2001年には東証JASDAQに上場しています。

今回はそんな気になる会社、株式会社レーサムと創業者・田中剛元会長が築いた理念について調査してきました!

株式会社レーサムと創業者・田中剛元会長について調査!

株式会社レーサムの事業内容について調査

株式会社レーサムの事業内容は主に3つあります。

1つめは田中剛元会長が創業当初から行っている「資産価値創造事業」です。資産価値創造事業は、時代の中で価値を失いつつある不動産を買い取り、用途変更や大規模改修を含む抜本的な改良を行い、新しい時代における不動産価値を創造します。

2つめは「資産価値向上事業」です。資産価値向上事業は、資産価値を維持向上させるための、賃貸管理、建物管理業務等を行います。

そして、3つめは「未来価値創造事業」です。未来価値創造事業は、コミュニティホステル、超高齢化社会に必須の高度医療専門施設、増加する自然災害に備える非常用電源開発など、将来の社会課題に対応した事業を行っています。

この3つの事業のうち売上高では、田中剛元会長の創業当時から変わらず資産価値創造事業が最も多くを占めます。この事業では、現在3,000百万円~5,000百万円の物件をメインターゲットに年間20件程度成約しています。2022年3月期第四半期決算説明会資料においても、上期全体の資産価値創造事業の物件販売件数は12件、通期予想は25件となっており、ほぼ半分が実現していると発表されています。また、資産価値向上事業の売上高には、顧客の保有不動産の管理サービスからの収入、レーサムが保有する販売用不動産の賃料収入を計上しています。

株式会社レーサムと創業者・田中剛元会長の歩みについて調査

株式会社レーサムは1992年5月、当時まだ26歳だった田中剛氏が、富裕層に向けた不動産による資産運用、資産形成コンサルティングを提供する不動産コンサルティング会社として株式会社レーサムリサーチを設立しました。

その後、バブル崩壊で担保不動産の処分が難しくなっていた1997年、物件が正当な評価を受けて流通することを願った田中剛元会長はレーサムリサーチとして債権の買い取り・価値評価業務を開始、1999年10月にグローバル債権回収株式会社を買収しました。

2000年9月には、財務省による証券化前提の国有財産(不動産)の入札で、田中剛元会長率いるレーサムリサーチがマンションなど建物付き不動産8件を落札し、日本初のSPC法を活用した国有財産の証券化実現を果たしました。このことで、レーサムと田中剛元会長の名が世間に広く知られるようになりました。

田中剛元会長時代のレーサムは、新規事業としてホテル運営にも果敢に挑戦しました。2003年には札幌のホテルと沖縄のホテルオペレーションを取得、しかし、経験不足から予定売上の5分の1にも満たず赤字続きで売却するも、インバウンド市場の成長が著しかった2015年にコミュニティ型ホステル「エンブレムホステル西新井」(東京)を開業しました。その後「WeBase」としてコミュニティ型ホステルを鎌倉・京都・高松・博多にも次々と立ち上げ、今年の2022年10月には、広島にも新たなコミュニティ型ホステルを開業する予定です。

そして、2018年6月に既存事業の変革から大型、海外案件の強化、さらには新規事業の拡大でスピードアップを図るために、田中剛元会長は会社の権限委譲を進め、自身が代表権のない会長に退いた後の新たな経営体制を構築しました。この新しい経営体制で、常務取締役だった小町剛氏が代表取締役社長、取締役副社長だった飯塚達也氏が代表取締役副社長に就任しました。

また、2018年8月には、新しく代表取締役社長となった小町剛氏のもとでレーサムは、田中剛元会長が1997年から20年以上続けてきたサービシング事業を廃止しました。債権の管理回収を行うサービシング事業は、時代とともに主力事業である資産価値創造事業とはシナジーが薄くなり、利益率が高くなく、回収にも一定の時間を要するためです。売却後は主力事業を始めとする成長事業に資金を集中させる方針です。

事業内容

株式会社レーサムの創業者・田中剛元会長が築いた7つのレーサムイズムについて調査

レーサムの創業者である田中剛氏は2021年に取締役会長を退きました。しかし、この田中剛元会長の築いた7つのレーサムイズムは、今もレーサムの全社員に受け継がれています。

1.真にお客様のためになる不動産は、社会の優良資産にもなる。真に社会のためになる不動産は、お客様の優良資産にもなる。
2.過去の成功体験を捨て、未来からの逆算で考える。そうしなければ、社会に必要とされ、かつ資産価値を生む不動産は創れない。
3.紋切り型を排する。お客様×物件の数だけ理想形がある。1件1件オートクチュール。社内の知を結集し、理想を実現する。
4.“面倒”を厭わず、むしろみずから“面倒”に突っ込む。“面倒”の先にこそ、新しい価値が生まれる。
5.安易なスクラップ&ビルドは、文化と社会を破壊する。受け継ぐべきものを受け継ぐために、全力を尽くす。
6.売って終わりは、お客様と街に失礼。中長期の価値向上に尽くしてこそ、レーサムの仕事である。
7.お客様との信頼関係、地域・社会との信頼関係、そして社員同士の信頼関係。レーサムにとって、これ以上に大切なものは存在しない。

不動産投資先を探している富裕層の顧客のニーズは、ほとんどが漠然としています。なので、リノベーションやテナントリーシングなどのアイデアはレーサムの仕入部門が中心となって考えなければいけません。そのため、仕入担当者には厳しい選別眼と交渉力はもちろん、仕入から商品化、販売後の管理に至るまでの構想力とリーダーシップなどが必要になります。それはまさに、田中剛元会長が築いたレーサイズムの精神ともいえるのです。

7つのレーサムイズム

創業者・田中剛元会長が築いた株式会社レーサムのこれからについて調査

創業者・田中剛元会長の後を継いだ小町剛代表取締役社長は2022年元旦、新年のメッセージとしてこのようなメッセージを発信しました。このメッセージからは、今後のレーサムの目指す姿が見えてきます。

「”不動産を変化させる力”を、当社の従来からのお客様である国内の富裕層に加え、国内外の機関投資家、そして海外の富裕層へと、積極的にお届けする飛躍の時」

世界的な低金利政策が続く中、運用難に直面した海外の機関投資家の資金が、相対的に利回りが高い不動産投資に流入しています。中でも日本はアジア太平洋地域でも有数の市場規模を有し、超低金利下で還元利回りが比較的厚いことから、ここ数年は日本の不動産に対する海外投資家の関心が高まっています。

田中剛元会長引退後のレーサムは、これまでの国内富裕層と培ってきた高い仕入れ能力とコミュニケーション能力で、海外投資家とも信頼関係を築いていくのでしょう。

おわりに

今回は株式会社レーサムについてご紹介させていただきました。

バブル崩壊真っただ中だった時期に「不動産再生」という他社とは異なる形で不動産事業へ果敢に参入し、不動産を担保にしたものを含む不良債権処理のサービサー事業にも目を付け、大きく会社を飛躍させた田中剛元会長の手腕は目を見張るものがありましたね。

また、新築物件の不動産マーケットの将来性が危惧され、中古不動産再生流通市場は成長を続ける中、株式会社レーサムは、単純な土地・建物のハードの売買に留まらず、不動産の潜在的価値を見抜き、自社負担で大規模な改良を行っています。そして、必要としている資産家に売るという創業者・田中剛元会長時代から続くレーサムのスキームは今後も安定した成長が見込めそうです。

株式会社レーサムの会社概要

社名:株式会社レーサム

代表者:代表取締役社長 小町剛

創業者:元取締役会長 田中剛

住所:〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-2-1霞が関コモンゲート西館36階

電話番号:03-5157-8888 (代表)

公式サイト:https://www.raysum.co.jp/