はじめに

多くの人が「廃石膏ボード」という言葉を聞き慣れない言葉だと感じるのではないでしょうか。石膏ボードとは、内壁や天井の材料として使われる建材の1つで、石膏を芯材にして両面を紙で覆ったものです。
そして廃石膏ボードというのは、この石膏ボードを使った建物が解体されたときに出てくるごみのことです。

「ごみ」と言い切ってしまうと、「建物」という点から考えても、非常に大量の廃石膏ボードが廃棄されてしまうようなイメージを抱く人もいるでしょう。
しかしこの廃石膏ボードは、農地の土壌改良材などにリサイクルされているのです。

農業において、土作りはとても重要です。土が健康的でないと、そこで育つ作物も健康にはなれません。それは米や野菜といった農作物は、土から水分や栄養を吸収しているからです。
農作物に栄養を与えてくれる土が不健康だと、農作物も美味しく育つことは難しいでしょう。そのため、農業において土作り・土質といったものは非常に大切なのです。

廃石膏ボードをリサイクルしてつくられる農地用の土壌改良材は、農業において非常に重要な土を、元気にしてくれる素となるのです。

そんな農業における土づくりの大切さを理解し、土壌を改良することで、農作物の育成に力をいれているのが、井寄準氏が理事を務める「石膏再生協同組合」です。
今回は、同組合の概要から提供しているサービスについてまで詳しくご紹介していきます。

石膏再生協同組合とは?

石膏再生協同組合とは、廃石膏ボードのリサイクル事業に従事する中小企業経営者が集まった組合です。廃石膏ボードを100%リサイクルすることを目標にしています。
その目的は、循環型社会への貢献・環境汚染の防止・地球環境保全。廃石膏ボードはリサイクルをしなければ、非常に多くの産業廃棄物を出してしまうことになりますが、リサイクルをすることでそれを防止し、且つ土壌改良材として農地で活躍させるという活動は、確かにこの目的すべてをカバーしています。

この土壌改良材は「エコカル」と呼ばれ、カルシウムやイオンを大量に含みます。カルシウムとイオンの力で、土壌が活性化され、農作物が育つのを助けてくれるのです。
具体的には農作物の収穫量が増え、含まれるカルシウムも増加するとのこと。甘みが増加し苦味が減少するといった効果もあるようです。
石膏再生協同組合では、このエコカルの共同販売も事業内容として取り扱っています。

その他、組合員の保有する製品・技術などを融合して新たな製品を開発したりするサービスである組合連携事業を始めとして、認可補助事業や組合扶助事業など、「協同組合」という点から連想されるような事業も、事業内容として含まれています。

組合として廃石膏ボードやその他の廃棄物の再利用・再資源化に取り組む石膏再生共同組合。今回は同組合からその事業内容について詳しくお話を伺ってみました。

石膏再生協同組合の事業内容とは?組合理事の井寄準氏に直接インタビュー!

「エコカル」の詳細について教えてください

エコカルは、硫酸カルシウムが主原料になります。
エコカルはカルシウムとイオウが多量に含まれた石膏を原料に生成された土壌改良材で有効なカルシウム資材です。

エコカルは、協同組合で販売しており、国内3か所で生産しております。受注後、注文者の近いエリアから発送させていただいております。

「エコカル」をお求めになるお客様は、どのような事を求めていますか?また、どのようなお客様が多いですか?

お客様は主に農業の方が多いですね。

求めていることは、農作物の発育の効率化、及び追肥する回数を減らすことで、実際に効果があったとの声を多数いただいております。

御社が「エコカル」を提供する際、特にお客様に伝えていることを教えください

エコカルは土壌改良材で、成分は硫酸カルシウムが主原料です。従来の製品(炭酸カルシウム他)と比較すると、水溶性があり保水力・保肥力・排水性が向上し元気でカルシウム含有量も豊富な農作物が生産できるということをお伝えしています。

「エコカル」を使用するメリット、デメリットについて教えください

メリット
購入単価も安く、水によく溶け、石灰(炭カル)と比べて170倍の溶解率の高さが特徴となります。
農作物の発育が良くなることが最大のメリットです。

デメリット
ホームセンターなど近場で購入が出来ないことは、難点でしょう。

「エコカル」を使用したお客様の口コミを下記に2つほど記載してください

  • 農業展で初めてエコカルを購入しトウモロコシを作ってみました、すると今までに一番の大きさ3Lクラスのトウモロコシが多数出来ており、先まで粒がぎっしり詰まっていてビックリしました。
  • 知り合いの紹介でエコカルを購入しトマトを作ってみました。
    今までとは違う大きな実になり糖度も上がっておりおいしいトマトが出来ました。
    また、違う農作物も作りたいと思います。
  • まとめ

    建物を解体したときに出る「廃石膏ボード」が、まさか「エコカル」のような農地を元気にしてくれる土壌改良材にリサイクルされているということは、誰もが驚くことではないでしょうか。
    しかし建物の解体作業で出る廃石膏ボードの量は膨大ですから、それが巡り巡って農業に役立てられているとなると、環境保全の意識が高い人にとっては、とても喜ばしい事実ですよね。

    またその廃石膏ボードから作られたエコカルが、農作物が美味しく育つのに役立つというのは、農家の方や大規模な家庭菜園を楽しむ人にとっては、興味深いのではないでしょうか。
    特に農業に携わる人にとっては、農作物の収穫量が増えるということはそれだけ利益が上がるということですから、大きなメリットになるでしょう。

    近年、従来にも増して環境保全への意識や取り組みが高まる中、こうしてごみを減らすだけではなく、何かにプラスになるようなリサイクルの仕方をする事業があるということは、「循環型社会」への大きな貢献でもありますし、エコへの意識が高い人にとっては、安心できる事実ですよね。

    そんな理念に賛同する農家の方や、単純に農地の土壌が元気がないことにお悩みの方は、エコカルを利用してみてはいかがでしょうか。